情報公開

令  和  4 年 度 事 業 報 告

 

 令和4年度事業計画に基づき、適正かつ効果的な安全運転管理と職員一人ひとりの交通安全意識の高揚を図るための各種施策、活動に積極的に取り組むとともに、第11次島根県交通安全計画に掲げる「令和7年までに年間の24時間死者数を15人以下、重傷者数を170人以下、高齢者者数を全死者数の半数以下」とする数値目標達成に向け、関係機関・団体及び安全運転管理者設置事業所が一体となった交通事故防止対策を推進した。

 令和4年中の県内の交通事故の概況は、発生件数766件(前年比-8件)、負傷数836人(前年比-32件)とも前年より減少したものの、死者数は16人(前年比+6人)と大幅に増加した。

 高齢者が関係する交通事故は、発生件数は354件(前年比+10件)、死者12人(前年比+8人)、負傷者190人(前年比+4人)といずれも増加し、高齢者の交通事故死者は、全死者数の75%を占める。

 子供が関係する交通事故は、発生件数24件(前年比-11件)、死者0人(前年比-1人)、負傷者34人(前年比-14人)といずれも減少したが、登下校時間帯での発生が多い。 

 一方、安全運転管理者選任事業所の従業員が関係する交通事故の概況は、発生件数70件(前年比-3件)、負傷者数76人(前年比-5人)と減少し、死亡事故も前年より1件減少し、1件(1人)であった。

 当協会における令和4年度事業の実施状況は次のとおりである。

 

実 施 項 目 実  施  内  容
1.組織の充実・強化

(1) 新規選任届出事業所・未加入事業所に対する対策

 新規選任届出事業所・地区協会未加入事業所に対し、安全運転管理者等講習通知時等に、会員メリットを訴えて加入を依頼するとともに、地区協会事務局との連携を図りながら加入促進に努めた。

 令和4年度第一次講習(5/11~7/28)は、延べ19会場において開催し、4,083名中3,937名が受講し、受講率は96.5%であった。

 第二次講習は松江・出雲・浜田の3会場において開催し、151名中117名が受講し、受講率は77.5%であった。

 令和5年3月末現在の県内全体の状況は、

 ・安全運転管理者等  4,209人(前年度比 +302人)

 ・会 員 数     3,534人(前年度比 +216人)

であり、会員加入率は84.0%(前年度84.9%)と、安管者数の増加に伴い会員数は増加したものの、加入率は1%低下した。

(2) 安全運転管理者等未選任事業所に対する対策

 一昨年6月千葉県八街市において、下校中の小学生の列にトラックが衝突し児童5人が死傷する痛ましい交通事故が発生したが、飲酒運転によるものであり、安全運転管理者が未選任事業所あったことから、業務中の飲酒運転の根絶と未選任事業所の一掃を図るため、警察本部、各警察署との連携のもと、未選任事業所の発見と新規届出者に対する県・地区協会への加入促進に努めた結果、安全運転管理者数が前年に比べ302人増加した。

2.安全運転管理に関する調査、研究等

(1) 安全運転管理推進モデル事業所の委嘱(5/1~4/30)

 県内54事業所を選定し、所轄警察署長と地区協会長の連名による委嘱状とモデル事業所看板を交付して委嘱時講習を行った。
 モデル事業所は1年間、地区協会内の他の事業所のモデルとしての活動を推進した。

(2) 事業所診断の実施

 10.11月の2か月間、事業所診断実施要領に基づき、「管理対策優良事業所」「管理対策低調事業所」「その他診断を必要と認めた事業所」計109事業所を選定し、所轄警察署員と地区協会員による共同診断を行い、安全運転管理者等と面接の上、必要な指導助言を行った。

(3) 安全運転管理のための執務資料等の発行・配付(随時)

 安管だより・安管カレンダーへの同封、安管講習・モデル事業所委嘱・各種研修時等に執務資料、リーフレット、チラシ及びポスターを配付した。

 また、貸出用のDVDを9本購入するとともに、危険予知トレーニング用DVDを各地区協会に配布するなど視聴覚教材の充実に努めた。

3.安全運転管理者等の研修会の開催

(1) 安全運転管理者等法定講習会の開催

 島根県公安委員会から業務委託を受け、島根大学、警察本部、自動車安全運転センタ-、日本自動車連盟、島根県指定自動車教習所協会及び島根県自動車整備振興会、並びに新たに自動車事故対策機構、西日本高速道路パトロール中国及びあいおいニッセイ同和損保から講師を招聘して開催した。
 第一次講習(5/11~7/28)は延べ19会場において開催し、4,083名中3,937名が受講し、受講率は96.4%であった。
 第二次講習は松江・出雲・浜田の3会場において開催し、151名中117名が受講し、受講率は77.5%であり25人が未受講であったものの、第一次講習と合わせて4,054人が受講し、受講率は99.4%であった。
 なお、川本、江津、鹿足、浦郷の4地区は、第一次講習で対象者全員が受講した。

(2) レディース・リーダー研修会の開催

 安全運転に関する女性リーダーの育成と女性ドライバーの安全意識の向上を図ることを目的に10月4・5日の2日間、各地区から15名の女性ドライバーの参加を得、松江市の「ホテル白鳥」と「松江城北自動車教習所」において、第14回目となる実技を中心とした研修会を開催した。

(3) モデル事業所ブロック別研修会の開催

  令和4年度に委嘱したモデル事業所の安全運転管理者を招致し、活動事例発表、危険予測訓練及び研修テーマに基づく自由討議を行い、参加者の安全運転管理レベルの向上を図った。
    9/16  隠岐地区 「至誠館」       4名
  10/17  西部地区 国民宿舎「千畳苑」   16名
  11/ 7  東部地区「サンラポーむらくも」   28名

(4) 安全運転中央研修所における派遣研修

 当初7名の派遣予定であったが、コロナ禍の中ため、安全運転管理者等(松江・雲南・出雲・益田地区各1名)4名を、8月23日~26日の間、安全運転中央研修所における「安全運転管理課程」4日間コースに派遣した。

(5) 安全運転管理指導者講習会への参加

 事業所において、安全運転管理者を指導する立場にある方の安全運転管理能力の更なる向上のために、1泊2日の講習が福岡市において開催され、本県には4年ぶりに割り当てがあり、松江地区協会から2人が参加した。

(5) 一日実務研修

 10・11月の2か月間、県内12自動車教習所等において、83人の安全運転管理者等が実技を中心とした一日実務研修を受講した。(地区協会との共同事業)

4.安全運転管理に関する指導、啓発等

(1) 交通安全写真コンクールの実施

 4月から3か月間作品を募集し、応募のあった115点(応募者67名)の中から、9月22日の審査会で計20作品を選考表彰するとともに、各種イベント会場での展示、安管だより、安管カレンダーへの掲載等広く活用した。

 ○ 特別賞(敬称略)

   島根県知事賞               平川 雅章     (西ノ島町)

   島根県警察本部長賞            高尾 宗孝   (松江市)

   島根県安全運転管理者協会長賞       石川 佳弥音 (出雲市)

   島根県交通安全協会長賞          青戸  繁  (松江市)

   自動車安全運転センター島根県事務所長賞  中村 和久  (松江市)

 ○ 佳作 5点

 ○ フジカラー賞 10点

 ○ 敢闘賞 1点

(2) 「しまね安全ドライブ・コンテスト2022」の実施

 実行委員会として参画し、各地区協会と連携を図り、本コンテスト参加のメリット・効果を訴えた結果、697事業所(前年比+13)が参加した。

 ・ 募集期間  5/20~7/10

 ・ 実施期間  7/11~12/31までの174日間

 ・ 参加チーム

    一般・事業所チーム  6,918チーム(前年比+3)

    高齢者チーム      960チーム(前年比-16)

 ・  無事故・無違反達成状況 6,217チーム 達成率89.9%(-0.4p)

      ※ 抽選により255チームに商品券等賞品贈呈

(3) 第16回セーフティ・ドライバー安全運転競技大会

 模範ドライバーの育成及び事業所における安全意識の高揚と交通事故防止を図ることを目的に、10月22日、島根県西部運転免許センター(浜田市)において開催した。県内の11地区から15チームが(30人)が、学科競技、実技競技(技能走行・法規走行)で熱戦を展開した。

  【大会結果】
   ○ 団体の部
     優 勝  益田地区協会    Bチーム
     準優勝  浜田地区協会 Aチーム
     第3位  松江地区協会 Bチーム
   ○ 個人の部
     ≪男子≫
     優 勝  藤井 健太 選手(益田地区協会Bチーム)
     準優勝  沖田 治人 選手(浜田地区協会Aチーム)
     第3位  安部 光洋  選手(松江地区協会Aチーム)
     ≪女子≫
     優 勝  石田 華奈 選手(松江地区協会Bチーム)
     準優勝  村上 久美子 選手(鹿足地区協会)
     第3位  橋本 かえで 選手(浜田地区協会Aチーム)

(4) ドライブレコーダーの普及促進事業

 ドライブレコーダーを設置する事業所に対して、上限1万円の助成金を支給し、38事業所に対して299,200円を助成した。

(5) 機関紙等による交通安全情報の提供

 「安全運転管理者だより」を年間11回発行し、主要事業の開催状況、法令の改正要点、各地区の活動状況等安全運転管理に役立つ情報の提供に努めたほか、当協会のホームページを活用した積極的な情報提供を図って、協会の主要事業の開催状況や安全運転管理者による運転前後のアルコールチェック義務化の法改正、交通事故発生状況等のタイムリーな提供を図った。
 また、今年度から「今月の話題」コーナー(「今月の朝礼話題」、「安全運転管理」、「ニューストピックス」)を新設し、時節に合った運転管理のための話題等を提供して、事業所における安全運転管理者等による交通安全指導への活用を図った。

(6) 交通安全教育用教材等の貸出

 保有するVHS・DVD 159本について、49回99本の貸出しがあった。

(7) カレンダーの作成・配付

 月別の安全運転管理目標、月間重点、安全運転管理ポイント、交通標語を掲載したオリジナルカレンダーを作成し、会員事業所に配付した。

5.交通安全運動等

 (1)期間を定めて行う運動

 令和4年度「島根県交通安全県民運動実施要領」に定める次の運動を、県、警察本部及び関係機関・団体との連携を図りながら積極的かつ効果的な展開に努めた。

  春の全国交通安全運動(4/6~4/15)

  自転車マナーアップ運動(5/1~5/31)

  夏の交通事故防止運動(7/1~7/21)

  秋の全国交通安全運動(9/21~9/30)

  高齢者の交通事故防止運動(11/11~11/20)

  年末の交通事故防止運動(12/11~12/31)

(2) 日を定めて行う運動

 関係機関・団体との連携の下、「県民運動実施要領」に定める次の日における街頭指導、啓発活動等に取り組んだ。

  交通安全県民の日(毎月1日)

  自転車・二輪車交通安全指導の日(毎月18日)

  交通事故死「ゼロ」を目指す日(4/10・9/30)

(3) 交通死亡事故多発警報発令時の活動

 交通死亡事故多発警報発令時は、警察本部・所轄警察署との連携を図り、発令から10日間、街頭活動や広報啓発活動等を展開するところ、令和4年中における多発警報の発令はなかった。

(4) 年間を通じて行う運動(安管独自)

 地域社会に貢献するために、当協会独自の次の2つの運動に全事業所が参加し、年間を通して取り組んだ。

  「子供・高齢者を交通事故から守る事業所運動」

 平成21年度から昨年度まで「高齢者を交通事故から守る一事業所一運動」として取り組んでいただいた交通安全活動について、昨今の交通情勢を考慮し、今年度から「子供・高齢者を交通事故から守る事業所運動」として一新し、子供・高齢者被害にかかる交通事故の防止を図るとともに、各事業所における更なる交通安全意識の高揚を図り、各地域の交通情勢や島根県警から提供される交通安全情報を考慮した上で、事業所ごとに活動範囲、活動時間帯の中で実施可能なテーマを選定して積極的に取り組み子供・高齢者被害の事故防止に努めた。

  「エコドライブ推進運動」

 令和4年度の安全運転講習会において「エコドライブの実践は安全運転の実践」に他ならないものであることを紹介し、各事業所で「エコドライブ10のすすめ」を実践するように促し、車の燃料を節約し排気ガスを減少させて環境保全に寄与するとともに交通事故の減少と死亡事故の抑止を図った。

6.各 種 表 彰

(1) 警察本部長・会長連名表彰及び会長表彰

 各地区協会との連携を図り、安管講習各会場において当協会表彰規程に基づく各種表彰を行い、士気の高揚と活動意欲の向上を図った。

 【警察本部長・会長連名表彰】

   ・交通安全功労者    1名

   ・優良安全運転管理者  11名

   ・優良事業所      19事業所

 【会長表彰】

   ・交通安全功労者    2名

   ・優良安全運転管理者  11名

   ・優良事業所      42事業所

 【会長感謝状】

   ・優良交通警察職員等  2名

(2) 全日交(緑十字金・銀章)及び管区(中国管区局長・会長連名)表彰


○ 全日交表彰

  1月18日、東京都新宿区立新宿文化センターで開催された「第63回交通安全国民運動中央大会等表彰式」において

   ・優良事業所   ㈲イタケン(出雲地区)

   ・優良地区協会  雲南地区安全運転管理者協会

 がそれぞれ全国表彰を受賞した。

○ 管区表彰・全日交表彰(交通栄誉章「緑十字銅章」)

  11月1日、益田市で開催された「令和4年度島根県交通安全功労者等表彰式(第58回交通安全県民大会代替)」において

   ・優良安全運転管理者

     出雲地区  富 田 成 徳  氏

     出雲地区  星 野   豊  氏

   ・優良事業所

     出雲地区  島根中酪 株式会社

     川本地区  山興緑化 有限会社

 が中四国管区警察局長・中国5県交通安全協会会長連名表彰を受賞した。

○ 優良安全運転管理者

    出雲地区  (株)田中種苗       田 中   充  氏

    出雲地区  (株)三協しまね出雲営業所 中 島 晃 久  氏

が(一財)全日本交通安全協会会長表彰を受賞した。

(3) 安管法定講習受講成績優良地区協会表彰

 令和4年度第一次講習で100%受講を達成した、川本、江津、鹿足、浦郷の4地区協会を令和5年度定時総会の席上で表彰する。

7.各 種 会 議

(1) 定時理事会

 ○ 第1回は、5月27日に書面による決議(みなし理事会)を行った。

 ○ 第2回は、3月17日に松江市で理事・監事全員出席のもと開催した。

(2) 定時総会

 新型コロナ感染拡大防止の観点から、書面による決議を行い、会員全員からの同意が得られた6月29日を決議があったものとみなされた日とした。

(3) 都道府県専務理事等会議

 10月5日、東京都で開催され専務理事が出席した。

(4) 中国五県安全運転管理委員会

 12月8日、鳥取市で開催され専務理事が出席した。